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第9回 共同制作

 第9回の共同制作は第8回に引き続き、ATSFの本番撮影(第7回共同制作)に参加したメイクアップアーティストのMarino Kimura氏と”none Session”とのコラボレーションである。

 今回もKimura氏とともにシチュエーションやライティングを検討。場所は渋谷某ホテルのスイートルーム。スタジオでは撮ることのできない、背景を持った写真をつくりたいという意図である。限られた時間であったが、その中でできる限りのセッティングを行った。

 その結果、普段のHOMMA氏の写真からは考えることのできない、光を回さない硬いライティングとなったのだが、個人的には過去最高の写真をつくることができたと考えている。逆に言えば、HOMMA氏の特色である逆光・フレアで光を回すライティングは不安定要素が多く、ライティングで主題を明確にさせる難易度が格段に高いということだ。

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Model : Airi Wada, Mayuko Mori
Photograph : Yusuke HOMMA Retouch : Takaaki Yoshida Make-up : Marino Kimura

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第8回 共同制作

 第8・9回の共同制作は、ATSFの本番撮影(第7回共同制作)に参加したメイクアップアーティストのMarino Kimura氏と”none Session”とのコラボレーションとなった。まず第8回は、第3・4回の共同制作で使用した渋谷のスタジオで撮影を行った。

 これまでの共同制作は、主に撮影の手法やライティングに関する検証、またその仮説の裏付けが主なテーマとなっており、作品という部分には踏み込んでいなかった。今回は、Kimura氏と、モデルでも参加しているAiri Wada氏からのアイデアを受け、none Sessionの2人では到底描けない写真を制作することができた。

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Model : Airi Wada Photograph : Yusuke HOMMA Retouch : Takaaki Yoshida Make-up : Marino Kimura

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デジタルフォトにおけるカラーグレーディング

 私は2004年からデジタル撮影による作品制作を本格的に開始しているが、その当初からRAW現像によるカラーグレーディングに重きを置いてきた。とにかくカラーネガプリントの色調・質感が好きで、それをデジタル撮影においていかに再現するかという技術的課題が私の中にある。それは今も続く課題である。
 RAW現像を行うにあたって、根底にある基準は銀塩写真であり、カラーネガプリントである。2002年からレタッチャーとしてプロの銀塩写真を毎日目にする環境にあったこともあり、「銀塩写真の銀塩写真らしさ」は体に染み付いているつもりだ。

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2014.7.20
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第7回 共同制作

 第7回の共同制作は、第6回に引き続き2014年4月に実施。5月7~17日に開催された「ATSF(AshCreate Test Shooting Festa)〜spring ’14」の本番撮影を兼ねた。

 若干スケジュールが変わってしまい、テスト撮影とは違いATSFの主催であるAshCreateのスタジオで撮影を行ったが、今回もカメラ機材をハッセルブラッド・ジャパンさんからお借りし、アガイ商事さんからブロンカラーの機材をお借りしている。

 第6回ではいろいろとテストや検証事項があり、なかなか作品を集中して撮るには時間が足りなかった。そこで今回は第6回を再現しつつ、さらに良い上がりを求めて撮影を進めた。ヘアメイクは、HOMMA氏がこれまで何度か撮影を共にしているMarino Kimura氏にお願いした。

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(「ATSF 〜spring ’14」出展作品)
Model : Mayuko Mori Photograph : Yusuke HOMMA
Retouch : Takaaki Yoshida Hair & Make-up : Marino Kimura

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第6回 共同制作

 第6回の共同制作は、2014年4月に実施。5月7~17日に開催された「ATSF(AshCreate Test Shooting Festa)〜spring ’14」への出展作品のテスト撮影を兼ねた。

 ATSFでは敢えて新しい作風に挑戦しようかという話もあったが、やはりホンマ・フォトといえば逆光・フレアであり、そのブランドを確立していこうということになった。
 そうなれば、今回の撮影はこれまでの撮影の集大成となる。
 ずっと考えてきた「フレアが出ているけれど背景を飛ばさない写真」を上手くつくることができるか、そこが大きなポイントであった。ヘアメイクには第1、2回でお世話になったNaoko Ishibe氏に入っていただいた。

 今回はATSFの協賛社であるアガイ商事さんよりスタジオを提供していただき、さらにブロンカラーのストロボやカラーマネージメントモニタも貸していただいた。担当の水野誠氏には大変お世話になり、感謝している。
 また、ATSF共通で、カメラ機材を同じく協賛社であるハッセルブラッド・ジャパンさんからお借りしている。

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Model : Mayuko Mori Photograph : Yusuke HOMMA Retouch : Takaaki Yoshida Hair & Make-up : Naoko Ishibe

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none Session

 コラボレーションの記録をWeb掲載するにあたり、この企画に名前を付ける必要が生じた。当初は仮で「Collaboration with Yusuke HOMMA」というタイトルを付けていたが、それで行くわけにはいかない。

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2013.11.23 Photograph : Takuma Toyonaga Retouch : Takaaki Yoshida
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第5回 共同制作

 新たなフルサイズ中判デジタルバックとストロボジェネレーターの新調後、初めての共同制作は2013年11月。初のロケであった。メイキング撮影にはフォトグラファーの豊永拓万氏に協力をいただいた。

 以前からロケ撮影の話は上がっていたのだが、新調したジェネレーターがバッテリータイプであるため、屋外使用を早速試してみよう、ということと、ロケにおいてどのようにスタジオと同様の逆光・フレアを表現するか、というテーマを設けた。
 かなり実験的な撮影であり、[太陽光の順光環境下でのストロボによる逆光]などは、ここに掲載するにはクオリティ的に厳しいものもあったが、太陽がある中でのライティング方法、太陽光の向きとストロボ光の向きの組み合わせ方、フレアの入り方やコントラストのつき方など、様々なデータを取ることができ、今後の課題も多いに得ることができた。しかし正直、この現場はレタッチャー泣かせであった。

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Model : Kana Hondo Photograph : Yusuke HOMMA Retouch : Takaaki Yoshida

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フォトレタッチャーの地位向上

 そしてもう一つ、フォトレタッチャーとして現場に入ると多々覚える違和感について記しておきたい。
 フォトレタッチャーは、時にクリエイティブスタッフの頭数に入れてもらえず、現場入り前に打ち合わせが進んでしまっていたり、時にスタッフクレジットに掲載されず、モデルさんやエディターさんから「この人は何なんだ?」と思われたり、場合によってはフォトグラファーのアシスタント、さらには見学者扱いまでされてしまうことがある。デジタルオペレーターとして扱われてしまい、話が違う、なんてことも。
 HOMMA氏はいつも現場で「レタッチャー」と紹介してくださるので助かっているが、「フォトレタッチャーの地位向上」の必要性を痛感させられる現場がとても多いのだ。

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2014.1.18
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自分の得たい画に合った道具を選ぶ

 2013年8・9月に渋谷で行った撮影には、もう一つの目的があった。それは、中判デジタルバック更新のためのテストである。
 HOMMA氏が銀塩からデジタルにカメラを切り替えて以来、35mm判デジタル一眼レフはN社一筋で使用しているが、スタジオ撮影やクオリティが求められる撮影には、M社の中判デジタルバックを使用していた。これを今後に向けて更新したいということで、P社、L社、H社と、これでもかというまでにデモ機を借用し、テストを行ったのだ。
 HOMMA氏は私に対してかなりの信用を置いてくださっており、テストの実施とその検証をともに行っていった。
 検証の内容については、このコラボレーションの趣旨から逸れるので割愛するが、一つ大切なことを記しておきたい。

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2013.10.27
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第3回 共同制作

 そして迎えた、2013年8月。渋谷のスタジオで撮影を行った。
 HOMMA氏も私も、この1年半あまり美容室で何度となく撮影を行っていたこともあり、ライティングの手法には一定の方法論が生まれていた。
 求めるものは、逆光・フレア・ハイキー。明快である。

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Model : Mana Yamamoto Photograph : Yusuke HOMMA Retouch : Takaaki Yoshida

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HOMMA氏が求める画

 私がそんなことをいろいろと考えている間も、HOMMA氏は精力的にストリートのファッションスナップを行い、自らが得たい画とは何かを追求していた。その結果出た答えは「逆光・フレア・ハイキー」であった。

 フレアが出るような逆光写真は、教科書的に言えばNGなのかもしれない。しかしHOMMA氏は、それが最も自分にとってテンションの上がる、好きな写真だと断言する。

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2012.5.1
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作品をより高いレベルにするためのコラボレーション

 HOMMA氏にも、私の考え方に強く賛同していただいている。その賛同の中で、私は彼の撮影に立ち会い、より撮影後の手直しを必要としない撮影を追求している。

 RAW現像やレタッチは、マイナスをゼロにするのが目的であってはならない。ゼロをプラスにするためのものでありたいと考えている。粗をなくすためではなく、作品をより高いレベルにするためのものでありたい。
 それだけに撮影が大切であり、だからこそ積極的に撮影現場に立ち会っている。フォトレタッチャーの立場から、写真の最終形をイメージしながら、現場でのアドバイスをさせていただくのだ。
 もちろん、立ち会い前に綿密な対話を行い、撮影者が求める画を十分に理解しておくことは言うまでもない。

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2012.4.22
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デジタルフォトのアウトプットクオリティ向上のための啓発活動

 その後は、美容室でのカットモデル撮影等でともに現場に入ることはあったが、おめでたい私事でしばらく共同制作は停滞した。

 その間、私はフォトグラファーとフォトレタッチャーが組むことの意味を考え続けていた。
 世の中の写真を見てまず常々思っているのは、アウトプットのクオリティの低さである。
 写真展に足を運ぶと、ひどいプリントにしばしば出くわす。よく見られるのはバンディング、ブロックノイズ、階調の反転。どうしてこうなってしまうのか、と。これはアマチュアに対した話ではない。企業が後援するようなプロの写真を展示する場でもそれが起きている。

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第2回 共同制作

 2回目の共同制作は2012年10月。かつてHOMMA氏とともにライブ撮影に入ったこともあった、渋谷のライブハウス。

 ライブ撮影は彼の最も得意とするところであり、さらにモデルさんはこのライブハウスでもパフォーマンスを行っているアーティスト。爆音で曲を流しながら、実際のステージさながらに、リアルタイムな撮影を行った。ここでもNaoko Ishibe氏にヘアメイクで協力をいただいた。

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Model : Machi Iwata Photograph : Yusuke HOMMA Retouch : Takaaki Yoshida Hair & Make-up : Naoko Ishibe

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第1回 共同制作

 何度となくHOMMA氏の現場を見て勉強させていただき、何度となく打ち合わせを繰り返し、スタジオにて初めて共同制作の撮影を行ったのが2012年7月。本郷のスタジオであった。

 ヘアメイクのNaoko Ishibe氏にも協力をいただき、スタンダードなライティングではあるが、クオリティの高い画を得ることができた。

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Model : Ayaka Musha Photograph : Yusuke HOMMA Retouch : Takaaki Yoshida Hair & Make-up : Naoko Ishibe

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コラボレーションの始まり

 2011年末、「四半世紀少女」の展示を終え、フォトグラファーYusuke HOMMA氏とのコラボレーションが始まった。

 このサイトでは、私は撮影者として作品を発表しているが、フォトレタッチャーとしてフォトグラファーと組むことで、1+1が3にも4にもなる作品を制作したいと以前から考えていた。そこにHOMMA氏は乗ってくれた。

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2012.2.5
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